今月のトピック バックナンバー

子供の体力

ムシムシとした梅雨の季節に入りました。今朝、近所の小学生の女の子と会ったので『おはよう』と声をかけると、元気に『おはようございます』と返してくれました。最近は上級生が下級生を連れて集団登校するようですが、その集合場所で下級生の女の子の髪を結びなおしてあげる姿はとても可愛く見えました。そんな小学生達ですが、5月の終わりに運動会があったようです。最近の子供の体力についてふと感じることがあり、調べてみたのでその感想も含めて今月のトピックにしてみました。

最近の子供は体力が低下している?

子どもの体力

私の友人でダンスの指導をしている女性がいるのですが、『最近の子は体力が落ちているよ』とよく言っています。具体的には、しゃがめない、長座で座れない、スキップができないなど柔軟性やコーディネーション能力、筋力などが低下しているのではないかと思うような事で、私も実際、『最近の子は・・・』と感じていました。

では実際、近年の子供たちの体力はどのようになっているのでしょうか?“文部科学省平成23年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書についてを”を参照して調べてみると7歳・9歳・11歳の小学生の体力(走・投・跳種目)において昭和60年の体力の高い時から比べると明らかに低下しています。しかし新体力テスト施行後14年間の小学校高学年以上においては、総合点で横ばい又は緩やかに向上傾向にあるようです。種目別では50m走・ソフトボール投げ・立ち幅跳びでは低下していますが、反復横跳び・シャトルラン・上体おこしでは向上していて、柔軟性は横ばい(男子は低下)と言う結果です。注目するべきは高学年では向上の傾向にありますが、7歳の低学年ではあまり変化がありません。

上記の結果から一概に子供の体力が落ちたと言えないません。もう少し複雑な要因があるのかもしれません。これは私の推測ではありますが、発表されている数値はあくまでも平均値です。運動能力の高い子供と極端に低い子供が以前に比べて多くなっているのではないでしょうか。これは現場で私の友人が感じたことでもあるのですが。(出来ること出来ない子が両極端にいる)幼少期の身体活動である外遊びが不足しているゆえに、低学年の体力に変化は見られない。ですがそれ以降、習い事を始めることで体力の向上が現れてきていると言うのが上記の結果ではないでしょうか。

まとめ

最近は様々な習い事やスポーツを経験する機会が以前より増えていると思います。その多種多様な身体活動の習い事を通じて体力レベルが低い子供たちが表面に出てしまい、指導者が強く印象付けられてしまうのではないでしょうか。
私なりにまとめると

  1. 外遊びなどの時間が減少し低学年までの体力は以前ほど高くはない。
  2. 小学校に入った頃には、習い事を始める子供が増え低学年以降の体力は向上する。
  3. 複雑化した種目や動きにより、出来る子供と出来ない子供で差が出てしまう。
  4. 高学年になるに従い、その差は埋まる。

社会状況に変化があり子供の遊びが変わって来ていることは事実です。外で遊ぶことが少なくなったこともあるかもしれません。ですがその分、私たちが子供の頃にはなかった習い事が今はたくさんあります。その中で楽しく身体を動かすことが出来れば体力低下はあまり心配することではないと思います。

子供たちには出来るだけ多くの機会を与えられるように選択肢がたくさんあれば良いと思います。決して一つの種目だけに固執するのではなく、色々な種目を経験してもらうことが子供の成長過程の身体活動としてはベストではないでしょうか。

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