今月のトピック バックナンバー

音楽のもたらす影響

12月になりました。今年も残り1か月です。
今年は令和になり特別な年であったように思います。2019年をしっかりと締めくくって2020年を迎えましょう。来年は東京オリンピックも開催されます。トップアスリートのスポーツの世界ではパフォーマンスは今から楽しみですね。そんなアスリートたちが試合の前にヘッドフォンを付けて音楽を聴いている姿を最近はよく見かけます。昭和であればあり得なかった光景ですが、パフォーマンスを出すためにも実は音楽は重要な役割を持っているようです。今月は音楽と身体の関係をお話してみようと思います。

アスリートと音楽

音楽を聴くアスリート

皆さんは音楽を聴きますか?私は学生のころには色々な音楽を聴いていたのですが、いつごろからでしょう?あまり興味を持たなくなりほとんど音楽を聴くことがなくなりました。ですが最近ではサザンオールスターズやBish、洋楽のR&Bなどを少しは聴いています。それは良いとして・・。

テレビなどでも水泳の選手やフィギュアスケートの選手など多くの選手がヘッドフォンをしてウォーミングアップをしている姿を観ることができます。

では本当に音楽はスポーツに良い影響を与えるのでしょうか? 音楽を試合の前に聴く音楽としてはアップテンポの曲でテンションを上げる、ゆっくりな曲で気持ちを落ち着かせるなど音楽を聴くことで集中力を高めたり、闘争心を湧き起こしたりしているそうです。実際にアスリートが聞いている音楽が次のような感じです。

  • 水泳 瀬戸大也 少女時代「Into The New World」
  • 陸上100m 桐生祥秀 ゆず「栄光の架橋」
  • フィギュアスケート 羽生結弦 The Sketchbook「Colors」
  • 体操 内村孝平選手 AK-69「Flying B」
  • サッカー日本代表 長友佑都 ナオト・インティライミ「Brave」
  • 卓球日本代表 石川佳純 西野カナ「GO FOR IT!!」

競技や選手によって聴く曲は様々です。人によって色々なパターンがあるという事でしょう。この辺りはあくまでも個人の感覚で曲のチョイスをしているという事になるのでしょう。

音楽が身体に及ぼす効果

次はもう少し科学的に考えて脳と身体の関係性から有効になるパターンを見てみましょう。音楽には三大要素というものが存在し、それは「リズム・メロディ・ハーモニー」と言われています。人間がこの三大要素のうち、最初の体験として感じるのはリズムだと言われています。私たちが最初に感じるリズムとは、お母さんのお腹の中で聞こえる心拍数を認識するようです。そして生まれてから成長していくにつれて、リズムは手足のさまざまな振動などを通じて複雑なものになっていきます。そのようにして脳はリズムを理解し、体の動きはリズム感を形成してゆくのです。人は自分の手足に固有のテンポがあります。ですからリズミカルに歩けたり、走れたりするわけです。しかし音楽によってそのペースが乱される場合があります。ですから運動時の音楽は自分が求めるリズムのものを選べきであるという事になります。

運動時に聴く音楽は必ず一定のリズムを刻みます。音楽が人に合わせてくれるということはなく、絶対に私たちが音楽に合わせることになります。いつもよりハイペースで速く走りたいという時は、あえて速いテンポの曲を聴いて同期させるという方法もあります。またラストスパートのところで速い音楽が流れれば、自分のペースも上がりやすい条件が揃うので、理論上はいつも以上の実力が苦労せずに出せることに繋がる可能性もあります。
「脳科学からみる運動と音楽の関係」(前編)から引用

運動時の音楽に重要な要素はリズムです。できれば、それが自分の好きな音楽だとベターです。音楽を聴いていて、良い曲だなと陶酔しているときは報酬系と呼ばれる、心地良いことが起きた時に活性化される脳内のシステムが活動します。そうすると「ドーパミン」という物質が多く放出され、ワクワクした喜びの感情が生まれます。そのことにより好きな曲は何度も聴きたくなり、常習性が備わります。こうして報酬系・快楽系の神経が活動することで、本来であれば辛いランニングや腕立て伏せを楽に行うことができることになります。負担の軽減という意味でも、運動における音楽は有効に作用し、長続きさせる効果をもたらしてくれます。

やはりスポーツにおいて音楽というものは有効であり、自分の気に入った音楽を聴くことで身体能力をフルに発揮させることも可能になり、メンタル的にもポジティブな感覚を持つことができると思います。スポーツだけではなく自分自身の生活の中に好きな音楽を聴くことは良い影響を生み出すことになると思います。

来年はいよいよ東京オリンピックです。日本人の活躍に期待するとともにアスリートたちの聴いている音楽にも注目してみると面白いかもしれません。

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