今月のトピック

大腿筋膜張筋ってご存じですか?

2021年も今月で終わりますね。今年はオリンピック開催があったにもかかわらず、なんだかんだ言っても結局はコロナウィルスにつきます。日本では収束の方向に向かっている(?)雰囲気が出ていますが、また新種の株が海外では増えてきているようです。2022年にもまだ続いてしまうのか心配です。

さて2021年最後のトピックですが振り返ってみるとここ数か月、身体の事について触れていませんでした。2021年最後は身体について書いてみようと思います。皆さんは大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)という筋肉はご存じですか?

GYMに行ったり、フィットネスクラブでもこの部分をトレーニングするマシンはありません。そもそもどの部分の筋肉であるかも知らない方が多いと思います。と言う事でまず大腿筋膜張筋の場所を示してみましょう。

大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)とは

図

図のブルーの部分で骨盤の横の部分からスタートして大腿筋膜張筋と言う名前ですが、途中で腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)という靭帯になり、すねの骨(脛骨)の外側までつながっています。この筋肉の働きは客を外側に開くときや股関節を曲げるとき、または足を内側にひねる(内旋)ときに使われます。大きく目立った動きではありませんが、歩行時や走行時に脚がまっすぐ前に出るように導くとても重要な役割を担っています。

例えば過度なランニングなどにより緊張が高まれば、足は外側に開いた状態になり、さらに内旋方向に脚は捻じられた状態になります。つまり膝が内側を向き脚全体は外側に開いたO脚の形状になる訳です。この状態を放置したままにしておけば腸脛靭帯の炎症、膝関節周辺の炎症(ランナーズニー)、左右バランスの崩れにより骨盤が傾斜(水平維持ができない)して、腰痛を発症することも少なくありません。腰痛や太もも・膝の外側の不調を感じた時には疑ってみる事も必要です。

大腿筋膜張筋の筋膜リリース

ではこの筋肉コンディションをキープするには何をすれば良いでしょう?人の身体は硬い筋肉はストレッチングにより柔らかくする、弱い筋肉は鍛えて強くするのが基本です。先ずは硬い筋肉を柔らかくすることで動きやすい状態にすること。動きが出やすくなったら強くしていくというのが基本的な順番です。具体的な方法としては筋膜リリースをまめに行う事です。

腸脛靭帯リリース

  1. フォームローラーの上に太腿の側面(腸脛靭帯)をあてます。
  2. 上下にゆっくり10回~20回動かします。
図図

※痛みが強すぎる場合は動かさずポイントを決めて止まって行いましょう。10秒ほどたったのち場所を変えましょう。

大腿筋膜張筋トレーニング

  1. 横向きで膝を伸ばして寝ます。
  2. 脚を開くように上側の脚を広げていきます。
  3. 画像の高さまで来たら脚を内側に捻ります。
  4. ゆっくり10回繰り返しましょう。
図

他にもトレーニング方法はあるのですが、まずは筋肉の場所確認と正しい動かし方を身につけましょう。普段はあまり気にしていない筋肉ですが、硬くなり動きが悪くなると必ず不調を感じることになるでしょう。医療機関でもあまりアプローチされることがないと思います。それだけにセルフケアは重要で常に良いコンディションをキープすることが重要です。運動の前後や反対に運動不足などが続いている時、また膝や腰に痛みが生じている時などもぜひ試してみてください。痛みが伴うときは即効性はあまり期待できませんが、地道に行うことで1週間程度で楽になると思います。

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