タバコとスポーツ
10月に入りました。前々から言われていたタバコの値段が上がりました。このトピックを書くにあたり、やはりタバコは出来るだけ吸わないようにする事をお勧めしたいです。今月はタバコが運動機能と身体に及ぼす影響についてお話をします。出来るだけこの値上がりに併せて、禁煙する人が増えれば良いと思います。
さて、今まで禁煙を試みて失敗に終わった方はたくさんいると思います。なぜ吸いたくなるのでしょうか?皆さんもご存知のとおり『ニコチン』という物質の刺激が神経を興奮させたり、反対に抑えたりするからのようです。習慣化するとやめる事が中々出来ない一種の麻薬のようなものかもしれません。
タバコがスポーツに与える影響
スポーツ選手やスポーツ愛好家など日本にもたくさんのスポーツを楽しむ人がいます。その中にはタバコを吸う人はもちろんいますし、なんとトップアスリートもいたりするわけです。そんなタバコの身体への影響は次のような事があげられます。タバコの煙の中には(主流煙)一酸化炭素が多く含まれています。一酸化炭素は肺に取り込まれると血液中のヘモグロビンと結合をします。本来ヘモグロビンは酸素と結合して、身体中にたくさんの酸素を運ぶ役割をします。一酸化炭素はヘモグロビンとの結合が酸素の何倍も速く、酸素が結合する前に到達してしまい、身体には酸素不足が起こります。この酸素不足により身体は、より多くの血液を運ぶため心拍数は増加して血圧も上昇する事になります。またニコチンの作用として、交感神経を刺激し血管を収縮させ、より一層、循環器の機能を低下させます。タバコを吸った直後にはこのような影響があります。運動する場合にはマイナス要因ばかりですね。
喫煙者は喫煙理由としてよく『ストレス解消のために』とか『仕事の集中力をだすため』と冗談半分で言います。これはどうなのでしょう。ある研究結果で喫煙直後の情報処理能力は上がり、吸わずに我慢した場合では低下している。という事が報告されています。実は、喫煙者はタバコを吸わないと本来の能力を出せないようになっているようです。なので喫煙者の言っている事はまんざら嘘ではないようです。
では、喫煙が習慣化している人にはどのような影響があるのでしょう?煙は気管を通り肺に入ります。気管の中には誤飲物質を外に出したり汚染物質をきれいにする役割がありますが、その働きが低下して気管の炎症、萎縮などがおき、肺においても確実に呼吸機能の低下がおきます。高いレベルの運動機能だけではなく、日常生活活動での歩く、しゃべるなどの生活自体を脅かすほどの影響にも繋がります。また癌・虚血性心疾患をはじめとする心疾患・脳血管障害などの発生率が高い事もあり有害であると言われています。
嗜好品としては世界中に多く広がっているものではあり、習慣化してしまうと中々やめる事は難しいようです。しかし健康を考えると、今回の値上がりに便乗して禁煙宣言をしてみるのもありかもしれませんね。