パフェさん逝く
7月です。2015年も半分終わってしまいました。本当に早いですね。そして、先月10日に私がこの仕事を始めた時からの家族でもあるパフェさんが天国に旅立ちました。今月は身体やエクササイズのことなどでなく彼女との11年の思い出をトピックにしてみました。
彼女との出会いは平成15年12月でした。親戚が開業している動物クリニックで10月に2匹子犬が産まれたので見に行ったのが最初でした。ドアを開けて待合室に入ると、私を見るなり1匹の小犬が走って来て顔をペロペロとなめてくれました。これがパフェでした。とても小さいのに元気いっぱいで、大きな丸い瞳の上にはマロの印がくっきりとありました。初めはクリーム系のミニチュアダックスが良いなぁと思っていたのですが、この瞬間にこの仔犬に気持ちは決まってしまいました。
決めてからはすぐに膝の上にのせて車で連れて帰りました。まずは名前を考えて『パフェ』に決定。でも初めて犬を飼う私は、何も知識がないので毎日が手さぐりでのしつけです。お手洗いや食事など最低限の事だけはしつけておかないとなりません。当時私は一人暮らしをしていたので、パフェは生まれて2か月程度で平日は長時間のお留守番をしなければならない状況でした。
出来るだけ私も考えて、車にパフェをのせて仕事に一緒に行ったりもしていました。2か月後には実家に戻り母の住む家で同居するの事になっていたのでパフェさんには2ヵ月間だけ我慢してもらいました。人が大好きで一人ぼっちが嫌いなのは、この頃寂しい思いをさせてしまったからなのかなぁと思います。
実家に戻ったのは12月に父が亡くなり、母が一人になるので同居するためでした。パフェを迎え入れたのも実は母のためでもありました。母はパフェをすごく可愛がり、父の亡くなったショックをパフェは本当に癒してくれました。朝は早起きして私がお散歩に、夕方は母がお散歩に、日中はずっーと母と一緒に過ごしていました。散歩が好き、食べることが好き、人と触れ合うのが好き、寝ることも好き、そんな性格だったので本当に色々な人から可愛がってもらいました。
朝の起床時は彼女が起こしに来てくれて、出かけるときも見送りに、帰ってくると出迎えに来てくれて私も癒されました。そのせいか今では何時に寝たとしても、目覚まし時計などかけないで起きることができます。彼女とは色々なところに行きました。ビーチバレーの海・温泉・スキー場・山登り、その他にも広い公園があればどこでもよく出かけました。移動は車やバイク。全く嫌がるそぶりもなくいつもご機嫌さんでした。
そんないつも元気な彼女が朝の散歩でボール遊びをしていた時の事でした。『キャン』と言う声とともに倒れました。走り寄って抱き上げると、震えながら涙を流していました。すぐにクリニックへ行くと診断は腰椎椎間板ヘルニアによる神経圧迫下半身麻痺。かなり痛かったようです。私もヘルニア経験者なので・・・2週間の入院で電気鍼、温泉、レーザー治療を行いその後、自宅に戻ってきました。
痛みは無くなったようでしたが、後ろ足は全く立たず前足だけで一生懸命歩く様は見ていてつらくもなりました。私が出かけるときには足を引きずりながら相変わらず見送りにも来てくれます。その後4か月ほど時間が経ち脚の筋力はほぼ回復し、大好きなお散歩にも出かけられるようになりました。完全回復かなと思っていた時にまたしても足が立たず腰痛を発症。この時は特に何もしていなかったのですが、朝起きると足を引きずり、その後、後足では立てなくなってしまいました。せっかく回復していたのに、再発で入院することになってしまいました。同じように2週間治療した後、帰宅はしましたが、お散歩はできません。大好きなボール遊びも禁止。それでも、歩くことをあきらめず毎日、一生懸命、歩く努力をしていました。フローリングの床は滑るので、彼女の行動範囲内は全てコルクのマットを敷きつめ、少しでも歩きやすくなるようにもしました。幸いな事に前回よりも回復には時間がかかっていましたが、少しずつ回復の傾向にありました。
そしてやっとお散歩に行き始め何日か経ったころ、今までなかったことが起こりました。大好きな食事を食べない。彼女は食事を食べないことはもちろん残したこともありませんでした。今考えれば何かのサインだったのだと思います。それでも夕方にはいつもの元気を取り戻しご飯も完食して元気に遊んでいたので、ホッとして流してしまいました。そして2週間後、またご飯を食べない事がありましたが、前回通りその後少しして元気になりました。年も取ってきたし気温も上がってきたし、食欲がない事もあるのかなぁ・・・などと勝手に思い込んでしまっていました。それくらい他には何もなく元気だったのです。6月9日はいつもと同じように元気に遊び、夜、私が帰宅すると布団から起きて迎えに出て来てくれました。この時2回目の腰痛からは半年が経とうとしていました。明けて10日の朝、起きてはきたもののまた食事をせず元気もないまま寝ていました。 私が朝一のセッションが終わり、1度帰宅した時には腰は立たず横になっているだけです。元気は全くありません。心配な気持ちを持ちながらも、その後仕事に行かなくてはならないので精いっぱい元気づけてから外出しました。15分後、母からパフェが動かなくなったとの連絡が入りました。
彼女の11年半はあっけなく幕を閉じてしまいました。私はそばにいる事すらできませんでした。帰った時にはいつもの場所にパフェが冷たくなって横たわっていました。彼女が家に来た時から私たちより必ず早く旅立つことは解っていました。ですが人間でいえば60才前後。まだまだ一緒に暮らしていける年齢だったと思います。まさかこんなに急にこんな日が来るとは全く想像もしていませんでした。彼女が私たちにもたらしてくれたものは本当に大きく、かけがえのないものです。私がこの仕事をしている中でもパフェに気持ちを癒され、助けてもらったことはたくさんありました。母も父を亡くした後、外に出て散歩をしたり、心の支えなど大きな力をもらっていたと思います。初めて飼った犬ではありましたが、パフェには色々なことを学びました。まだしばらくは彼女の事を忘れることもできませんし心の穴は埋めることはできそうにありません。ですが現実を受け止めて彼女との思い出を大切にしながらこれからも生きていきたいと思います。