ストレッチングは万能
2015年度の最後の月です。今年度皆さんはいかがでしたか?年度初めに立てた目標は達成できましたか?2016年度に向けて今年度の反省を踏まえて締めくくりの月としたいですね。
今月は私が専門学校の授業でも担当しているストレッチングに関してお話ししようと思います。ストレッチングは世間一般にかなり浸透してきていますが、その高い効果はまだ知られていないようにも思います。
さて皆さんはストレッチングと言うとどのようなエクササイズイメージを持つでしょうか?おそらくほとんどの人が①柔軟性が向上する ②運動の前にケガの予防に行う ③ゆっくりと反動を付けずに行う、このくらいではないですか?もう少し言うとやってもやらなくてもさほど変わらないかな?などと思っている方もいるかもしれません。
もちろんイメージですから色々あってよいですが、実はストレッチングの効果はかなり奥が深いものなのです。ストレッチングの種類によっては筋力アップやダイエットにもかなり効果が期待できるものもあります。世間では様々なエクササイズが出回っていますが、有能なエクササイズだと思います。
ストレッチングの種類
- ①スタティックストレッチング
- 静的ストレッチングで反動を付けずに伸ばしたい筋肉を意識しながら10秒から30秒ポーズを維持して行ないます。
- ②アクティブストレッチング
- 動きを伴うストレッチングで、伸ばしたい筋肉と反対側の筋肉を収縮させる意識を持つことにより、反射を利用して筋肉が伸びます。肘を曲げる動作では力こぶをつくることにより、裏側の筋肉が反射的に伸びると言う理論です。
- ③ダイナミックストレッチング
- アクティブストレッチングにスピードが加わり連続した動作で行う。
- ④バリスティックストレッチング
- アクティブストレッチングにより可動域が拡大してくることにより反動が加わったストレッチング。野球選手の『前ケン体操』などはこのストレッチングです。
- ⑤筋膜リリース
- 筋肉の表面や内部を覆う筋膜に手やツールを利用して圧迫を加え、癒着した筋膜を正常な形状に戻していく手法です。2014年6月の トピックを参照してください。
- ⑥PNF応用ストレッチング
- ターゲットの筋肉に抵抗を加え(筋力トレーニング要素)自己抑制を誘発させ筋肉を緩めるストレッチングです。
現段階でも上記のような種類のストレッチングが存在しています。皆さんがイメージするのは①のスタティックストレッイングだけではないでしょうか?それぞれ目的応じて使い分けると非常に効果が期待できます。
ストレッチングの効果
- ①軟部組織の柔軟性の維持・向上
- 単に筋肉だけではなく腱・関節包・筋膜・皮膚などの柔軟性の向上
- ②関節可動域の改善・維持
- 関節可動域が筋肉・軟部組織の改善の結果拡大する
- ③外傷・障害の発生予防
- 突発的なケガの予防及び慢性的な傷害、オーバーユースによる外傷を予防する
- ④筋疲労の回復促進
- 血行を促進して疲労物質の排除を促す
- ⑤疼痛緩和
- 筋肉が硬く、収縮している場合ストレッチングによって疼痛を緩和させる
- ⑥リラクセーション
- 筋緊張が緩和し副交感神経が優位に働きリラックス効果が期待できます
- ⑦筋委縮の抑制
- 活動量が少なく筋量が減少している高齢者などストレッチングで筋委縮の抑制が可能です
効果は目的応じてプログラムしていく事が必要です。
実施プログラム例
- スポーツ前後
- 運動前に筋膜リリース⇒スタティックストレッチング⇒ダイナミックストレッチング・バリスティックストレッチング 運動後にスタティツクストレッチング⇒筋膜リリース
- ダイエット
- 筋膜リリース⇒アクティブストレッチング⇒スタティックストレッチング
- 高齢者活動量向上
- 筋膜リリース⇒スタティックストレッチング⇒アクティブストレッチング
ストレッチングの内容や詳細はさらにプログラミングが必要ですが身体のコンディショニングを整える上では重要なエクササイズであると言えます。前述したとおり認知はされて来ていますが、まだその効果の高さの認識は低いと思います。私のセッションではかなり重要度を上げてパーソナルセッションの70%~90%はいずれかのストレッチングをプログラムして成果を上げています。誰にでも実践でき年齢性別を問わず、安全なプログラムが可能であると考えます。今回はストレッチングの概論的なお話をしましたが、今後少しずつ具体的なプログラム例を紹介させていただこうと思います。