トレーニングで左右差をなくすには?
2017年も1か月が過ぎました。皆さんは良いスタートが切れましたか?今年は北日本や日本海側の地方は多くの降雪で被害が出ているようですが、反対にスキー場ではシーズン中は心配しないで済むくらいの雪で安心しているようです。
さて、2017年2回目のトピックは私が契約しているフィットネスクラブのアルバイトの女性から受けた質問です。
『週に数回トレーニングをしていますが、左右差が出てきてしまうことがとても気になります。左右差をなくしてバランスよくするにはどうすれば良いですか?』
この質問 に答えてみようと思います。彼女いわく一般のメンバーさんも気にしている人は多く、それなりに考えて実施しているとのことです。
身体の左右バランスの差
そもそも、人間の身体は左右対称ではありません。さらに利き腕、利き足、動きの癖など左右のバランスを欠いてしまう要素はたくさんあります。さらに生活習慣の誤った動作による姿勢不良、また姿勢不良から更なる誤った動作を作り出す相互関係からも本来の機能的な筋肉・関節などの動きが損なわれてしまいます。
バランスの崩れは単なる動作の癖やちょっとした誤動作だけであれば、特に気にしないで生活が送れてしまいますので、問題を感じる人も多くないでしょう。ですが、そのバランスの崩れから痛みを発症したり、関節などに炎症が起きたりなど不都合なことが起きてくる可能性は大いにあると言えます。また、障害や外傷により筋肉が低下してしまい左右差が発症することもあります。
これらのことから考えると左右、前後、上下など全てが完全対象になることは難しいのですが、身体の機能を正常に保つためにもバランスを保持することは重要です。
では、具体的にバランスをとるために必要な要素はどこにあるのでしょう?
- 様々な動作を作りだすための柔軟性を持つこと
- 様々な動作を作り出すための筋力を持つこと
- 様々な動作の中で正しい動きを獲得するための神経系の回路を持つこと
この3つの要素を考慮してトレーニングを組み立てて行けば、自身の身体を機能的に使え、パフォーマンスを最大限に発揮でき、整った姿勢の確立と維持も可能になるはずです。
残念ながら一般のトレーニング実践者のほとんどが間違った動作によりトレーニングを実践しています。そのことによりバランスを欠いた身体になってしまっているのが現状ではないかと思います。
左右バランスを整えるトレーニング
上記に挙げた要素を左右が同じになるようにワークアウトしていきます。
- 柔軟性
- 様々なストレッチングを行う上で、左右を同じ条件で同じように動けるようにしてみましょう。あくまでも自分自身の感覚で構わないので筋肉の伸びや関節の動かせる範囲を感じましょう。一方が動きにくい場合は、キープ時間を増やす、セット数を増やすなどして左右差がなくなるまで行います。短時間であまり変化を感じられない時は、日を跨いで継続していきましょう。2週間から3週間で必ず変わってくるはずです。
- 筋力
- まずは左右の差がどのくらいあるかを確かめてみましょう。マシントレーニングのようにパイプで組まれたマシンを両腕、両足同時に行うようなワークアウトだと、気が付かない間に強いほうが優位に動いてしまうケースが少なくありません。まずは軽いウェイトでまたは自重で片側ずつ強さの確認をしてみましょう。確認ができた後で重さ、回数、セット数に差を設けて行ってみましょう。
- 神経系回路
- さて、3つ目のテーマはとても難しく、自分自身で正しい動きをしているつもりが実は誤った動きになってしまっていることがあります。このテーマに関しては友人やインストラクターに観察してもらうか、自分自身を鏡に映して確認できる環境が必要です。一般的に言うトレーニングフォームのチェックがとても重要になります。
ここまで確認ができたら正しい可動域で、正しいフォームでトレーニングできる重さを探してみましょう。ここで負荷を誤ってしまうと何の意味もなくなってしまいます。
まずは15回~20回をやりきるような重さを設定してそこから徐々に負荷を上げていきましょう。左右別々に行うものに関しては、弱い方を上記に示したように差を設けて行います。
また、トレーニングツールとしてバランスボールやフォームローラーなどを利用するのもトレーニングの幅が広がるのでお勧めです。
障害や外傷による機能低下については、トレーニング実施の制限が無いことが条件です。ここでは健側と患側の差が大きいため負荷の設定よりも反復回数の設定に着目します。誤った動きを身体に教え込まないように、正しい関節と筋肉の動きをしっかりと教育させることが最も重要になります。
今回は一般のトレーニング愛好者の方がセルフで、バランスを考慮したトレーニング方法を書いてみました。実際の現場ではさらに複雑な動きに対しても確認していくことになります。
まずは自分自身で身体を知り、バランスの取れた機能的な身体づくりを目指して実践してみてください。