今月のトピック バックナンバー

高血圧症のお話

梅雨が明けてもう2週間になりますが、関東では明けてからがむしろ梅雨空が続いていていますよね。それよりも九州や秋田県などでは大雨により甚大なる被害が出てしまいました。今までなかったような雨が降り、日本も少しずつ気候が変化しているのではないかと思います。これからは気候の変化に対応していかなければならないのでしょうね。

さて、今月はクライアントさんからの何気ない質問からテーマを決めてみました。血圧の話です。上と下って言うけれど上と下って何?運動すると血圧は上がるの下がるの?など基本的なところから健康のバロメーターとしてとても重要な事柄までお話してみたいと思います。

血圧について

最近、契約をしていただいたクライアントさんが少々血圧が高く、セッションしながらまた終わった後などに質問を受けることがあります。 質問に答えるときに感じるのが、血圧の基本的なことが意外に知られていないなぁと言う事。そして間違った情報が流れていて、それを信じている人が意外に多い事。

そこでいくつか血圧に対して問題を出してみたいと思います。皆さんはいくつ正解できますか?チャレンジしてみてください。

  • Q1 血圧には上と下がありますが、上と下って何ですか?
  • Q2 血圧は運動をすると上がりますか?下がりますか?
  • Q3 血圧の数値はいくつから高血圧と言えますか?

どうでしたか?解答を回折してみますのでご自身で確認してみましょう。

Q1 血圧には上と下がありますが上と下って何ですか?
血圧数値の上は心臓の収縮期の数値です。心臓は縮んだり膨らんだりして体に血液を送り出すポンプの役割があります。その縮んだ時に動脈に血液を送り出す際の圧力です。反対に下は送り出した(収縮)後に縮んだ心臓が元に戻りながら血液を送り出す時にかかる圧力で拡張期血圧とも言います。
Q2 血圧は運動をすると上がりますか?下がりますか?
運動をすると血圧は一時的に上昇します。運動をすることで心拍数も上がり大量の血液が必要になります。そのため血圧も上昇し血液を身体にたくさん送り込むことになります。しかし、運動を終了した後、心拍数が運動前と同様になるころには血圧は下がり、むしろ一度血液が勢いよく流れたことでスムースな流れになることで運動後しばらくしてからは血圧は運動前よりも下がっていることが多くなります。高血圧症改善に運動が効果的なのもこの事から言えます。
Q3 血圧の数値はいくつから高血圧と言えますか?

日本高血圧学会では高血圧の基準を以下のように定めているようです。

分類 収縮期血圧   拡張期血圧
Ⅰ度(軽症)高血圧 140 - 159 または 90 - 99
Ⅱ度(中等症)高血圧 160 - 179 または 100 - 109
Ⅲ度(重症)高血圧 ≧180 または ≧110
収縮期高血圧 ≧140 かつ <90
ただし測定は安静時であり、一定の条件で測定することが必要です。

いかがでしたか?3つの問題は正解できましたか?基本的な血圧に関する問いでしたが、これらを踏まえてもう少しお話をしていきます。

血圧の変動と影響

1日の中で常に変化をしています。血圧は常に変動しています。簡単にリズムを説明すると朝、起床前から少しずつ上昇します。起床後さらに上昇し日中は高い状態でキープされます。夕方から夜になって活動が減ってくると血圧も少しずつ下降してきます。睡眠時にはさらに下降していく事になります。このように血圧は常に変動していてこのようなリズムを日内変動と言います。

基本的なリズムに加えて血圧は様々な要因で上昇・下降を繰り返します。その要因としては食事、運動、ストレス、喫煙、飲酒など日常生活の中にあることが多く関係しています。

普段、血圧が高く常に測定している習慣がある人は自身の体調管理をしている事だと思います。そういった方は血圧が上がる要因を理解して、気を付けていく事でリスク管理が可能になります。

日内変化を繰り返す血圧なので、何らかの要因で上がったとしても気が付かないことが多いと言えます。特に症状を感じたことがない方は当たり前かもしれません。反対に高血圧の状態が続いていると、頭痛や、のぼせ、めまい、耳鳴りなどの症状が起こる場合もあります。また、高血圧が相当進行していると、動悸、呼吸困難、胸痛、むくみ、夜間尿、足の痛みやしびれなどがある場合もあります。自覚症状がない場合でも高血圧は正にサイレントキラーと言われ、心筋梗塞や脳卒中、動脈硬化などの病気を引き起こす可能性があります。高血圧はある日突然生命を脅かすため、沈黙の殺し屋と呼ばれているのです。

高血圧が引き金になり起こる疾病としては脳卒中、狭心症、心筋梗塞、心不全など突然死に関わる重大な病気が挙げられます。生活習慣の中で改善できることは改善し、できるだけ身体に負担のない生活環境を自分自身で作っていく事が重要です。

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