今月のトピック バックナンバー

マレットフィンガー

さあ3月になりました。2月は短いのでアッと言う間に過ぎてしまいました。そして年度としては2017年度最後の月ですね。年度の締めくくとしては1年間の反省や振り返り、新たな目標などを掲げるのも今月になる訳ですね。
また、少しずつ暖かくなって桜の開花が待ち遠しくもなる月です。

さてそんな3月ですが、今月のトピックは年度末にも春の予感などにも全く関連性のないお話をすることになりました。先月、クライアントさんから『指の手術をするので、すこしトレーニングをお休みします』というお話がありました。指の第一関節が曲がってしまい何かと不自由で、見た目にも良くないので手術をすると言う事らしいのです。そして私も2月にスノーボードの滑走中に転倒して手を着いてしまった時に指が曲がってしまいました。

そんな経緯でこれはトピックのネタにした方が良いと思いお話をしてみようと思いました。

マレットフィンガーってご存知ですか?

マレットフィンガー

皆さんはマレットフィンガーってご存知ですか?マレットフィンガーと言うのは指の第一関節が木槌のように曲がった状態になるので、マレット変形とも呼ばれます。症状としては、第一関節が曲がったままで痛みや腫れがあり、自動伸展は不能で自分で伸ばそうと思っても伸ばすことができません。

今回私がマレットフィンガーの症状が起きたのは上記に記した通り、スノーボード滑走中に転倒し手を雪面に着いてしまった時に指を強く打ってしまったことが原因です。転倒直後は痛みはほとんどなく、起き上がってそのまま滑りました。滑走中はグローブを着けているので、何が起きていても観察することができないため痛みがなければ特に気にもなりませんでした。

それでも滑っている途中、何か妙な違和感を感じ、止まって観てみると中指の第一関節が直角に曲がっていました。さらに、自力で関節を伸ばすことができませんでした。ですがやはり痛みはほぼないので、ストレスにはなりませんでした。とりあえずパトロールに行くことにして、その間は雪を利用して一応アイシング。指は自力で伸ばすことは出来ませんでしたが、右手を使えば伸ばすこともできました。もちろん痛みはありません。と言う事で指を真直ぐに伸ばした状態にして、添え木を付けて固定と言うのが応急処置の内容でした。

そのまま終日スノーボードを楽しみ夕方に長野県内の整形外科に受診してレントゲン撮影と診察をしてもらいました。診断結果は左手中指の第一関節の腱断裂という事でした。幸いなことに骨折はなく関節は綺麗な状態であることも確認できました。骨折を伴った腱断裂だとおそらく手術をすることになるはずです。私の場合は単純に腱がキレてしまっただけなので6週間~7週間固定をするという事で治療方法決まりました。

マレットフィンガー
引用:日本手外科学会「手外科シリーズ 6

痛みがさほどないので、安易に考えて放置してしまうと指は曲がったまま動かすことができなくなります。一定期間は装具を付けて固定します。一見簡易な治療ではあるのですが、入浴時はもちろん手を洗う時にも一切外すことは出来ません。就寝中にひっかけて装具が外れてしまったり、などのリスクも避けなければなりません。

仮に外れてしまうと再生しかけた繊維がすぐに破壊されてしまい、元に戻ってしまうのです。大きい関節や骨の骨折などであれば手術をしたり3週間~4週間の固定(ギプス)なのに対して簡易的な装具で通常の2倍近い期間を固定しなければなりません。さらに痛みも伴わないため、ついつい気が付かないうちに外れてしまったり、面倒くささから治療を中断してしまう事が多いようです。症状としては重症ではないのですが治療にかかる時間はかなり長く、精神的に大変な治療だと言えます。それでも今後の事を考えると指が曲がったままになり動かない状況は絶対に避けたいものです。根気強く装具を着けて6週間を乗り切ろうと思います。

かなり日常的に起こりうる障害でもあり、ぜひ皆さんの知識の中に入れておいていただこうと思い、トピック記事として取り上げてみました。このような傷害が無いにこしたことはありませんが、もし起こってしまった時には整形外科を受診して診察を受け正しい治療方法を受けることが重要です。

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