腹筋の話
5月です。元号が変わりました。『平成』は皆さんにとってどんな時代でしたか?『令和』まだちょっとなじみがないですが、これから新しい時代が始まり、自分自身の歴史も新たに刻まれていくことになります。
『令和』になるとまず今年の9月にはラグビーのワールドカップ、来年には東京オリンピック、紙幣が新しくなったりなど色々な事が予定されていますね。
私も時代に乗り遅れないように、仕事にプライベートにしっかりと『令和』を過ごしていこうと思います。
令和に入っての初めてのトピックです。今月は腹筋の話をしようと思います。腹筋と一言で言ってもお腹の筋肉には数種類、様々な役割をもっと筋肉があります。
まずは腹筋の種類と役割から書いてみます。
- 腹直筋(ふくちょくきん)
- お腹の表層にある皆さんが一般的に腹筋と呼ぶ筋肉です。主に身体を前に曲げるときに使われます。第5番目6番目7番目の肋骨から恥骨に付着しているとても大きな筋肉です。途中、3つの腱画(けんかく)で分かれていて表面が6パックに見えるのは、この腱画で分かれているからです。身体を前に曲げる働きがあるのでトレーニングはクランチ、シットアップ、レッグレイズなどが代表的です。
- 外腹斜筋(がいふくしゃきん)
- 第5~12肋骨から恥骨稜まで付着しています。背骨をセンターにして左右についているため、それぞれ別々の働きがあります。右側は右方向に横曲げする時と身体を左へ回旋する時に機能します。反対に左側は左方向に横曲げする時と右へ回旋する時に機能します。また腹直筋の働きを助ける仕事もします。トレーニングは左右に捻りながらのクランチ、シットアップ、レッグレイズなどがあります。
- 内腹斜筋
- 第8~10肋骨から恥骨稜前側まで付着しています。内腹斜筋も左右別々の働きをします。右側は右方向に横曲げする時と身体を右へ回旋する時に、反対に左側は左方向に横曲げする時と左へ回旋する時に働きます。内腹斜筋は外腹斜筋の深層にあり働きは上記の通り反対の働きをしています。トレーニングとしては外腹斜筋と同様の種目が有効です。
- 腹横筋
- 骨盤の内側から下方肋骨の内側から恥骨稜に付着しています。内腹斜筋の更に深層に位置しています。働きは腹圧を上げ内臓や腰椎骨盤帯の安定を図っています。簡単に言うとお腹を引っ込める働きがあります。
このように腹筋にはそれぞれ働きが異なる筋肉が4つあります。それぞれの筋肉をしっかりとトレーニングすることが重要です。
さて今回のトピックはここからが本題です。ボディーデザインをしていくうえでは6パックをつくりたい。ウエストのくびれを見せたい。ポッコリお腹を凹ませたい。などのオーダーをよく受けます。その他にも先日、腹筋を利用するワークアウトの後、片側の腰が痛くなってしまった。やらないほうが良いのか?という質問を受けました。
体幹のトレーニングは様々なものが存在します。毎回同じ事をすると動きに慣れてしまいます。腹筋の働きがそれぞれ異なるのに単調なワークアウトのみをやり続けることはお勧めできません。初めて行うワークアウトによっていつもと違う刺激が起こり、筋肉痛が生じることは珍しいことではありません。また人の身体の使い方は無意識のうちに左右不均等になって当たり前です。と考えれば左右で別々のトレーニングメニューをこなすことは必須です。
特に腹筋は左右別々に機能していますので、自分自身の感覚と筋のバランスが必ずしもマッチしているとは限りません。左右バランスが崩れていることに気づかずに、グループで行うワークアウトなどで音楽に合わせて動いたり、インストラクターの指示に任せて動くことで、知らず知らずのうちにオーバーワークになったりすることが考えられます。慢性的な腰痛を訴える人には私の経験上で90%以上腹筋の左右バランスが崩れています。腹筋の機能を理解して複合的なワークアウトをすることでクリアになることはかなり多くなると思います。
そしてよくあるオーダーであるくびれのあるウエスト、ポッコリお腹の解消も腹筋のそれぞれの機能を理解していくことで、実現が可能になります。腹筋を割ることは、そもそも腱画によって割れていますので、腹直筋の筋肥大をすることと、皮下脂肪を減少することが必要です。
令和になった今月から新たに腹筋を鍛えなおすのはいかがでしょうか。