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呼吸の話

2024年度も今月で終了です。来月からは新しい年度がスタートします。
このトピックもなんと200回目を迎えることになりました。我ながら良く続けてきたなぁと思います。
色々な話題を取り上げて来ましたが、記念すべき今回は呼吸についてお話ししようと思います。

人が生きていくために絶対的に行っている呼吸。自分の意識とは別に常に行われています。当たり前に行われている呼吸ですが、今回は少し意識して考えてみましょう。

呼吸

一般的に成人では呼吸の数はどのくらいでしょうか?
⇒1分間に12回~20回が正常だと言われます。呼吸が乱れるという事は何らかのストレスがかかっていることになります。

  1. 何らかの疾病により呼吸異常が発生する
  2. 精神的なストレスにより呼吸異常が発生する
  3. 運動など心拍数が上昇する場合

運動によるものであれば特に問題はなく、時間が経てば通常の呼吸に回復します。呼吸との関係が深い疾病は数多くありますが肺炎、気管支炎、喘息、気胸などは代表的な呼吸器疾患です。疾病によるものは医学的な治療が必要になります。精神的なストレスから呼吸が乱れる要因は神経疾患として自律神経失調症、パニック症候群があります。精神的なストレスで起こる呼吸異常については日常生活習慣などから引き起こされるものもあります。疾病として診断をされているわけではなく、自分自身で呼吸異常の意識がない場合、疾病に進行していくことは十分に考えられます。

生活習慣で呼吸異常の要因となりうるものを下記に上げてみます。皆さんも心当たりがあるのではないでしょうか?生活習慣を振り返ってみてください。また自分自身の呼吸をセルフチェックしてみましょう。

呼吸と生活習慣

  1. 偏った食事や睡眠不足
  2. オーバーウエイトによる体重増加
  3. 喫煙
  4. 長時間の同一姿勢や運動不足
  5. 長時間のスマートホン、パソコンの作業
  6. 姿勢不全

【呼吸の深さをチェックする】

ゆっくりと息を吐きながら、苦しくなるまでの時間を測る

  • 20秒以上吐き続けられるようであれば呼吸の深さは正常の範囲内
  • 20秒に満たないようであれば普段から呼吸が浅い可能性がある

【横隔膜の状態をチェックする】

鼻から普通に息を吸う(思い切り吸わないこと)
鼻から小さく息を吐く
片手で鼻をつまむと同時に、ストップウォッチで計測をスタート
「息をしたい」と自然に感じるまでの時間を計る。我慢しすぎない

  • 19秒以下⇒危険(呼吸量過多)
  • 20秒~29秒⇒不安(呼吸量過多気味)
  • 30秒~39秒⇒優秀(呼吸量適正)
  • 40秒以上⇒理想(アスリートなみ)
Tazan No.865より引用

呼吸が浅いと何が悪いのでしょうか?
呼吸が浅いと血中の酸素が不足し、全身が酸欠状態身体に陥ります。緊張をもたらす交感神経が優位になり、身体を休ませる働きを持つ副交感神経が抑制されてしまいます。自律神経のバランスが崩れ、睡眠障害や食欲不振、胃腸障害、血流の悪化、めまい、息切れ、動悸などの症状を併発するリスクが上がります。

それでは呼吸を改善していくにはどうすればよいでしょうか?
通常私のセッション時にも動きに併せて呼吸の指示を出しています。以前は息を吐くことを意識してくださいという指導が非常に多く行われていました。そのことによって吐く意識を持つことは行いますが吸うと言う事が強く短い時間で行われバランスの悪い呼吸方法になってしまいます。
ですので、動きに合わせるのではなく呼吸に合わせた動きをしてもらうように指導をしています。

一般的な呼吸のトレーニング

  1. 仰向けで寝ます。
  2. お腹の上に手を置いてゆっくりと息を吸います。(10秒~20秒)
    ※たくさん息を吸う事で肩が上がったり、首の緊張がないように注意しましょう。
  3. 吸った時よりもさらに時間をかけるイメージで細く長く吐きだしていきます。
    ※お腹はできるだけ凹ませて腹筋も使うようにします。

呼吸は人が生きていく中で自然に行われているものですが、生活習慣の乱れによって無意識に悪い呼吸方法になってしまいます。呼吸の乱れは様々な疾病の要因にもつながります。呼吸を整えていくことで快適な生活を送ることも可能になります。

ぜひチェックをしてみて自分自身の呼吸が浅く、数多くなっていないかを確認してみてください。