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アルコールの話

世間はゴールデンウィーク真っ只中です。コロナの影響で常に制限があったここ3年間です。今年はほぼ制限はなく、旅行に出かけている方も多いようです。海やイベント会場もたくさんの人で盛り上がっているようです。そんな会場ではビールやお酒の摂取が多くなるはずです。また、外食産業もかなりお客さんが戻ってきていることだと思います。

私もお酒は大好きで毎日晩酌をする習慣があります。と言う事で今月は少しずつ暖かくなりビールが美味しい季節でもあるので、アルコールについてお話をしてみようと思います。

SEHAT ホームページキャプチャ

お酒の種類は色々ありますが皆さんは何がお好みですか?
私はビール、日本酒、ワイン(赤・白・スパークリング)・焼酎など料理に合わせて何でもたしなみます。アルコールの栄養素は?というとエンプティカロリー(空っぽ)と言われていてあまり栄養素はないようです。ですがカロリー0ということではなくて1gあたり7kcalのエネルギーあります。ただし3大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)が含まれないため、栄養が空っぽ(エンプティカロリー)という意味で呼ばれています。

ちなみに炭水化物・脂質・タンパク質のエネルギー量は1g あたりそれぞれ 4kcal・9kcal・4kcalとなります。

ではアルコールの身体における影響はどうなのでしょう?顔が赤くなったり、酔いが回ると言う事はご存じですね。そのあたりをもう少し詳しくお話しします。

体内に入ったアルコールは、まずアセトアルデヒドという有毒物質に変化します。これは解毒されて酢酸となり、さらに水と二酸化炭素に分解され、その過程でエネルギーを産み出します。その一部は体熱となって発散されるため、お酒を飲むと顔が赤くなったり身体が熱くなったりするわけです。栄養の分解の順番として、アルコールは炭水化物や脂質よりも先に熱として体外に放出されます。そのため一緒に摂取した食事の栄養素の吸収や分解は後回しにされ、消費をされず脂肪として蓄えられやすくなります。またアルコールは脂質の合成を活発化するので、余分に作られた脂質は中性脂肪として血液に放出されたり、内臓や皮下脂肪に蓄えられて、肥満の原因となったりします。

アルコールが肝臓で分解される図

そう考えるとアルコール自体のエネルギー摂取で太ることはないのですが、肥満を作り出す要因にはなると言えます。アルコールには食欲が増進する働きがあるので、注意するべきはチョイスする食事を気を配ること過食にならないようにすることが重要です。高カロリーな揚げ物や脂肪の多い肉類などをオーダーしがちですが、刺身やサラダ・酢の物などの低エネルギー食品もチョイスするとよいでしょう。アルコールによってビタミンやミネラルが失われやすいので、野菜や海藻類、肝臓がアルコールを代謝する時に使われるたんぱく質を含む冷奴や枝豆などもお勧めです。

しじみや枝豆などのおつまみ

アルコールは尿量を調節するホルモンの分泌を抑え、尿を出させる作用があります。お酒を飲むとトイレに行きたくなったり、喉が渇いたりするのはそのためです。その他、中枢神経を麻痺させ、理性的なコントロールを抑制し、抑えられていた感情を開放します。適度な飲酒は気持ちを高揚させたり、ストレスを和らげたり、他人とのコミュニケーションを円滑に進めるのを助けたりします。しかし飲みすぎると正常な判断・反応ができなくなり、問題行動を起こしてしまうこともあります。(お酒による失敗は大小問わず皆さんも経験があるでしょう)

「酒は百薬の長」ということわざがありますよね。それは適量な飲酒とそれに合わせた美味しい食事を選んぶ事で得られるものです。逆に飲み過ぎが習慣化すれば「万病の元」となってしまいます。

アルコールの処理速度は、体重1kgあたり1時間に約0.1g。体重60kgの人がビールを中瓶1本(500ml)飲むと、3時間はアルコールが抜けない計算になります。健康のための節度ある飲酒の量は、1日約20gとされています。ただし日本人の1割の人はアセトアルデヒドを処理する酵素がなく、4割の人は酵素があっても働きが弱いとのことです。女性や高齢者では、アルコールの処理能力は総じて低いようです。20gを超えないようにするだけでなく、ほろ酔い程度でとどめておくという意識も大切です。

適度な1日平均純アルコール量は20gとされています。

■主な酒類の換算の目安
お酒の種類 アルコール度数 純アルコール量
ビール500ml 5% 20g
清酒180ml 15% 22g
ウイスキー 
ダブル60ml
43% 20g
焼酎(35度) 
108ml
35% 50g
ワイン 
120ml
12% 12g
厚生労働省 健康日本21より