トピック
暖冬
2024年も2か月が過ぎました。 1月と2月はスキー場で働いていたのですが、今年は暖冬の影響もあり本当に雪が少ない年です。雪が少ないとスキー場はとても大きな影響を受けるわけです。
私が勤務する斑尾高原スキー場でも今年はかなり雪が少なく、いわゆる新雪のパウダースノーを滑ることは1度もありませんでした。それでも雪はまだあったほうで、近隣のスキー場ではオープンすることもできずにいたり、山からトラックで雪を運びコースが1本だったりなどスキー場の営業としてはとても大変な年であったりします。
さて、以前であればこんなに雪が降らないと言う事はあまりなかったようです。
今、この原稿を書いている2月19日もとても暖かく、2月で気温20度近くもあります。確かにこのような気温で雪が降る訳はなく、積もった雪も解けてしまいます。そもそも、なんでこんなに暖かいのか?このままこのような気候になってしまうのか?そうだとしたらウインタースポーツは今後どうなってしまうのか?そんなことを考えながら今回のトピックは書いてみました。
『今年は暖冬になります』と言うのは昨年の秋くらいから気象庁は報じていました。なぜそのような予報が出るのか?皆さんも聞いたことがあると思います『エルニーニョ現象』 この自然現象がどうやら大きく関係しているようです。エルニーニョ現象とは日本から遠く離れた南の海が、いつもの年より暖かくなっている現象のことです。その暖かい空気の勢力が強いことで、日本に寒気が入ってくるのをブロックしてしまい、勢力の強い暖かい空気が流れ込み暖冬となってしまうというのが理由です。エルニーニョ現象の発生を観測することで、冬の気温や気候を予報することができるようです。
今年は本当に雪が少ないのですが、暖冬であっても雪が全く降らないと言う事はありません。暖冬では、定期的に雪が降るのではなく、晴れの日が続いたあと、急に1回のドカ雪が降ると言う事が多いようです。今シーズンも年末年始やその後の成人の日までは土が見えるようなコンディションだったのに、その後に一晩で50cmも積もることもありました。その短期間に振ったドカ雪をかろうじてつなぎながら今も営業しているというのが今シーズンの状況です。
そんな暖冬の原因であるエルニーニョ現象ですが、気象庁の発表によると、5月には終わり、平常の状態に戻っている確率が60%と高い予想になっています。来年はたくさんの雪でパウダースノーを満喫できるでしょうか?まだまだシーズン中ではありますが私的には来シーズンの期待しかありません。
この雪不足は気象庁も予報として出していましたが、長野の友人が言う事では秋にカマキリが木々に産み付ける卵の位置でその年の積雪がわかるらしいです。シーズン前にこの話をしたところ、地面から30cmのところに卵はあったようです。どういうことかと言うと産み付けられた卵の高さまで雪は積もらないと言う事のようです。実際に今年も卵に届かない程度の積雪になっています。自然の動物や昆虫などの生命にに関する能力ははかり知れません。本当にすごいです。
スキー場によって積雪に大きな違いがあることもあります。斑尾高原は豪雪地域でもあり今年でも少ない状況ではありますが、ほかのスキー場と比べると恵まれているようです。斑尾高原はゲレンデ内でタングラムスキー場とリフトを通してつながっています。斑尾は長野県でタングラムは新潟県。さすがに隣通しのスキー場なので積雪の差はないようですが、斜面の日当たりや風の吹き方、地形などで実際の雪の量はかなり違うように感じます。タングラムが壊滅状態で滑ることができない状況でも、斑尾では十分楽しめるほどの雪があると言う例も今年は実際にありました。
雪の量でいえば日本海に近いほど多く降雪が記録されますが、海が近いため水分を多く含んだ湿雪です。少し海から離れた長野県で標高の高い白馬や野沢温泉などは乾雪のサラサラとした雪が多く降ることになります。個人的に言えばパウダースノーを楽しむことができる乾雪が多く降る長野県の雪が好みです。乾雪が降る傾向にある白馬、野沢温泉、斑尾高原にはこのパウダースノーを求めてお客さんの半分以上が外国人です。今後は外国人がもっと多くなり海外にいるような気分になるのかもしれません。
地球温暖化が進み雪不足が少しずつ増えてくるかもしれませんが、日本でのスノースポーツはまだまだ発展して欲しいと思います。
今年もまだ少しシーズンが残っています。少ない雪ではありますが楽しんでみてはいかがでしょうか?