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子供の運動

12月になりました。と言う事で2023年も終わってしまいます。
今年も皆様には大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。
ここ数年はコロナの関係で生活に制限がありましたが、なんとか2023年中に日常が戻ってきました。この戻った2023年最後の月を楽しみたいと思います。

今月のトピックは以前から活動はしていましたが、この秋から新しい場所で子供の運動指導に関わることができました。もちろん来年も継続していくのですが、改めて子供の運動の必要性と現状についてお話ししようと思います。

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近年、子供の遊びが変わってきていることは皆さんもご存じだと思います。
現在の50~60代の人の話を聞くとには空き地があれば鬼ごっこや缶蹴り、ボールを使って自分たちなりのルールをつくり様々なゲームをして遊んでいたという答えが多いようです。
おそらく皆さんも思い当たるのではないでしょうか。

子供の一番の運動の機会は遊ぶ事です。最近ではその8割以上が1時間以上テレビの前にいて、3時間以上テレビの前にいる子供も約2割いることも示されているようです。自然環境が変化し、川、海などの遊べる水場は減少し、山や林の木々もなくなって来ています。さらに公園の遊具が危険を理由に撤去されています。

そんな中で最近の子供たちは上記のような傾向が増え、小学生でもファミリーレストランでスマホでゲームをする光景も見かけるようになりました。身体を使った遊びは減り、動くことをしない遊びが主流になってきている傾向にあります。

では子供のころの運動(遊び)はどのように身体に影響を与えるのでしょうか。
遊びは、子どもの活動と学びの原点です。『自主性、協調、共感、役割、責任、他者との関り方』も遊びで身につけていきます。 子どもは遊びを通して必要な能力を身につけ成長します。この学びのラインナップをみると、大人になって社会に出てからの重要なスキルにつながっています。子供のころの遊びの内容によって形成されるスキルは非常に大きな影響を与えると考えられます。

遊びが変化して来たことにより、身体を動かす機会は習い事によって補うようになっています。
親が子供に習わせたい習い事が以下の表のようになっています。男女ともに運動系の習い事は4種類ずつ入っています。

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家で何もせずゲームばかりしているよりは明らかに良いと思います。また正しく安全な身体活動にはなりますが、全て言われたことをするだけでは
創造力を発揮させる機会は減ってしまいます。
遊びと習い事で行う身体活動の違いはこの辺りにあるようです。ここは重要なポイントでもあります。

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ではここからは体力、運動センスについてお話をしましょう。
以前お話したこともありますが、子供の頃にしか成長しない能力があります。それをコーディネーション能力と言います。
コーディネーション能力は7つの能力で構成されています。一つ一つ個別の能力ではなく複数が関連しあい動作のプロセスを調整することで
身についていきます。それぞれの能力は以下の通りです。

①定位能力
相手や味方、ボールなどの周囲の状況と関連付けながら動きの変化を調整する能力
②変換能力
状況が変わったとき、動作を素早く切り替える能力
③リズム能力
耳や目からの情報を動きによって表現し、イメージを現実化する能力
④反応能力
合図を素早く察知し、適時に適切な速度で正確に反応する能力
⑤バランス能力
空中や動作中の全身バランスや、崩れた姿勢を素早く回復する能力
⑥連結能力
身体の関節や筋肉の動きをタイミングよく、無駄なく同調させる能力
⑦識別能力
手や足、頭部の動きと視覚の関係、ボールなどの操作を精密に行う能力

コーディネーション能力を発達させる年代はいくつかに分けることができます。

プレゴールデンエイジ(5歳~8歳ごろ)

コーディネーション能力が特に発達する時期です。様々な運動を体験し、動作に対する神経回路をつくっておくことが、その後の運動能力を大きく伸ばすこととなります。
ですが集中力が長い時間続かない年代でもあります。短時間で身体を動かすような、まさに遊びの中で構築されていきます。

ゴールデンエイジ(9歳~12歳ごろ)

神経系の発達は12歳でほぼ100%となり、さまざまな動作を習得するのがもっとも早い時期です。身体の成長曲線から見て、筋力・持久力の向上はまだ先になります。この時期はコーディネーショントレーニングを積極的に行うことが重要です。
多くの動きを習得することで、その後の運動神経を飛躍的に伸ばすことができます。

ポスト・ゴールデンエイジ(13~15歳ごろ以降)

ゴールデンエイジを過ぎると、身長や体重など骨格の成長が著しい時期に入ります。この時期は、骨格の急激な変化によって今までできていた技術や感覚にズレが生じ、思うようにカラダを動かせなくなったり、スキルをうまく発揮できない場合があります。
しかし、骨格の成長とともに反復練習を行うことで、感覚は修正されていきます。成長していく筋力などの影響により、より力強く、すばやい動作が可能となってくるでしょう。

子供の頃の運動経験はとても重要です。特に子供自ら行う大人の発想では考えられない創造力に満ちた遊びにはとても大きな意味があります。

私が今年から新たに関わっている子供の運動指導ではもちろんプログラムとして積み重ねていくメソッドであります。これは彼らの成長過程をはっきりと認識して評価していく上で必要です。
ですが前述したように創造力を発揮していく場は必要です。道具だけを用意して子供たちに自由に遊んでもらう時間を設けています。
この時間は見ていてもとても楽しく、私たちでは想像しないような遊びを普通にしてくれています。

来年も引き続き子供の指導をしていきますが、まだまだ小さな規模での活動です。2024年には子供がもっと増えていろいろな遊びを取り入れていこうと思います。