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高校女子バレー部のトレーニング指導

9月も本当に暑かったです。
日本で9月20日を過ぎて気温が39℃なんてことになるとは、10年前には誰も考えていなかったと思います。10月は少し涼しくなるでしょうか?秋が無くなり気が付いたら冬なんてことになるかもしれません。クリスマスもホワイトクリスマスではなくて半袖シャツでのクリスマスなんてことにもなっていくかもしれませんね(笑)。

さて今回は7月末からトレーニングの指導を担当している神奈川県の女子高校バレー部のお話をしようと思います。

バレーボールは私が学生時代からやっている競技で長く携わっているスポーツでもあります。今もビーチバレーは趣味としてやっています。チームとしてトレーニング指導を担当するのは久しぶりです。以前は札幌大学男女バレー部(北海道リーグ1部)の指導をしていました。チームとしての指導はそれ以来になります。

そもそも話の始まりは、6月にビーチバレーの友人から〇〇高校のトレーニング指導をお願いできないか…という電話が入りました。初めは仕事の兼ね合いと神奈川県内ではあるけれども、神奈川のはじとはじで距離的な問題があるので躊躇がありました。ですが、長年バレーボールに関わっていることや友人からの紹介であったりなど引き受けるべき案件だなと思い、引き受けることにしました。
承諾の返事をしたとはかなりの勢いで前のめりに準備を進めていくことになりました。

顧問の先生は今年から就任された女性の監督さんです。彼女の高校、大学の先輩がビーチのトッププレーヤーで、共通の知人でもあったため、先生との話はスムーズに進めることができました。

選手は全部で17名マネージャー3人。神奈川県でベスト16に入るか入らないかの微妙な位置にいるチームと言う事でした。強豪チームとは違い、中学から良い選手を引き抜いてと言う事はしていないので、部活をしている普通の女子高生という感じです。

選手と会って話をしてみると礼儀正しく、練習も真面目に行いとても素直でよい子たちでした。
ビーチや大学のトッププレーヤーと比較するとまだまだ身体的に発達段階で、筋力的にも未完成な感じでした。良く言われる細~い子達もいました。

筋力トレーニングを行うにしても目的を明らかにすることと、監督さん選手一人一人に理解をしてもらうことが重要な事項と考えました。

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トレーニングの目的

  1. けがの予防
  2. バレーボールにおける体力向上
    ・ジャンプ力向上
    ・バレーボールの各動作のスキルアップ
  3. けが人のケア

上記の目的をはっきりした上で理解を示してもらい進めていく方向となりました。
と言う事でまず初めは彼女らのフィジカルチェックです。
限られた時間と機材で行える内容として以下の事を実施しました。

  1. 10mスプリント
  2. プロアジリティテスト
  3. 垂直飛び
  4. 最高到達点

具体的なトレーニングプログラムは高重量のバーベル、ダンベルなどは使わず自重をメインとして動きの正確さとスピードを
重視したものを提供しています。
選手の中には自身の体重の倍くらいのバーベルでデッドリフトをする子もいます(前のトレーナーさんからの指導だったようです)。彼女たちは筋力的なことは全く問題ありませんが、その筋力をバレーボールの動きに結び付けていく動作スキルを上げていくことができれば高いレベルでのパフォーマンスが期待できると思っています。

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まだ始まったばかりのトレーニング指導です。運動負荷は非常に軽いもので、動きもゆっくり行っています。まずは正しい動きの獲得。次に少しずつ複雑な動きを組み込みます。そこにスピードが加わりさらに負荷(重さ)が加わっていくことになります。

私としては今年中には事前にチェックした4つの項目で全て数値をアップさせることができれば良いと考えています。負荷を上げる事よりも動作を正しくすることで向上が期待できると考えています。

もう一つ感じたことがあります。
ウォーミングアップとクーリングダウンがほぼ機能していなかったことです。これはとてもネガティブな要素で、どちらかと言えばこちらから手を付けなければならないという感じです。

ウォーミングアップは体幹と各関節の協調性を取り入れた内容でプログラムしました。クーリングダウンはほぼ何もしていなかったようで、春に入学してきた1年生は中学時代から増えた練習時間によりオーバーユース、成長期による関節痛、拘縮した筋肉による筋膜性腰痛や膝痛などのけが人がゴロゴロいます。このようなリスクを持ったままパフォーマンスの向上は絶対にできません。クーリングダウンの大切さをかなり説明しているのが現状です。

毎日ルーティンとして行うストレッチングやリリースで自分のコンディション把握をできるようになるようになりなさいと指導しています。それもあって練習後にはポールやテニスボールなどでのリリース、ストレッチングは必須で行っています。

まだ始まったばかりのトレーニング指導ですが、トレーニングの重要さ、ウォーミングアップ、クーリングダウンの大切さを理解してもらい、パフォーマンスが向上して、神奈川県でのベスト8に入れるようなチームになればよいと思います。

チームとしては平均身長は小さいので動き回りボールを落とさず、ミスをしないチームを目指せれば良いのかなぁと考えています。久しぶりのバレーチームのトレーニング指導は楽しくて仕方ありません。彼女たちが強くなっていく姿を想像することも楽しいです。

短い学生生活の中で出場できる大会は限られています。その中で来年はベスト8は入れるように頑張っていこう。

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